やりたいと思ったらすぐやらないと気が済まないタイプの私は、この日もどうやら、仕事終わりにパン作りに勤しんでいたようです。
パンを買わないなら作ればいいじゃない
スーパーに売ってる、1袋15枚ぐらい入ってそうなカナダの食パンが、私はどうも苦手です。ホームステイをしていた時に、朝食として好きなように食べていいよと冷蔵庫に常備されていたのが、あの食パンでした。1袋$3ほど。
日本ほど1枚1枚が大きくなくて、長方形の1斤丸ごと袋詰めされているようなやつです。良く言えばリーズナブル、悪く言えば安っぽくって。1袋6枚入りで2~300円する日本の超熟や本仕込みで育ってきた私にとって、彼らはとても邪悪な存在に感じてしまうんです。あれを食パンとは認めない!!
ただ、食パンはあればとても便利です。朝ごはんにもなるし、白米がない日は、サンドイッチを作ってお昼ご飯として持っていけるし。
でも、ちゃんとしたパン屋さんで買うのは高いしな…そうだ、作ってしまえばいいじゃない!

いざ、パン作り
仕事が終わって、家に着いたのが午後6時前くらい。パン作りをするとなると、あと3時間は、キッチンから離れられなくなることを覚悟して挑みます。
以前にもパン作りをしたことがあるので、必要な材料は揃っています。そもそも、パンの材料はとてもシンプルなので、凝ったものを作らない限りは1度材料を揃えてしまえば何度だって作ることができます。
強力粉、イースト、塩、砂糖、水、バター。ほら、とてもシンプルでしょ?
型がない。ロールパンに
最初、食パンを作る気満々でしたが、型がないことを考えていませんでした。料理をするたびにちょいちょい感じる、ここが実家ではないことのもどかしさ。実家だったらなんでも揃ってるのに…。
文句を言ってもしょうがないので、今回は型のいらないロールパンを作ることにします。
『30回は捏ねる』いや、100回は捏ねてますけど?
今回から、ダイソーで調達してきた簡易計り器を導入したので、今までよりは正確な分量を計れていると思います。
材料を全て入れて、いざパン作りの山場、捏ねに入ります。
ある程度まとまったので、ボウルから台に出して捏ね始めますが、なんだか雲行きが怪しいです。粉と混ざっていい感じだった生地が、さらに混ざってどんどんネチョネチョになっていきます。あぁ、今回は水が多かったか…。なかなか、粉と水分の量を調節するのは難しいです。レシピには30回ほど捏ねるって書いてあるのに…どこが30回じゃい!!と独り言をぶつぶつ言いながらも、ひたすら捏ね続けました。
発酵の合間にポテトサラダ作り
なんとか根気よく捏ね続け、ひとまずいい感じになったので、発酵タイムです。散々手こずらせてくれたな我が子よ…。
発酵してる間にポテトサラダを作ります。しばらく食べないと、ふと食べたくなるのがポテトサラダ。作る工程が多いので、時間がある時にしか作れません。
じゃがいもをレンチンで柔らかくして、卵を茹でて、きゅうりを塩揉みして、ベーコンをカリカリに炒めて、フォークで荒く潰したじゃがいもに全部入れて、マヨネーズとお酢と塩胡椒と一緒に混ぜる。
手間がかかるものは、その分おいしいのです。
我が子とのしばしの別れ、行ってらっしゃい
合計3度の発酵が終わり、成形まで済むと、ついに焼きに入ります。たくさん面倒見てきた我が子とのしばしのお別れ、卵でツヤツヤにおめかししして、涙ながらにお別れ…嘘です。やっとここまで来た、そんな達成感が混じった感情です。
行ってらっしゃい。成長した姿、楽しみにしてるよ。

大きくなって帰ってきた我が子
12分後、いよいよ、我が子との再会の時。だいぶ大きくなって、いい色に焼けていました。お疲れ我が子、お疲れ自分。時刻はもう9時を回ろうとしています。約3時間に及ぶパン作りは、焼きたてのパンを食べるということでフィナーレを飾ります。パン作りをする人にしか分からない、この長期戦を耐え抜いてやっとありつける努力の味…。
涙が出るくらい美味い、ほどではないですが、それなりに満足する味に仕上がりました。若干口当たりが悪い気もする…。捏ねが足りなかった?発酵不足?逆に発酵のしすぎ?パン作りは奥が深いです。だからこそ、次はもっとおいしいパンを、と上を目指したくなるのです。
今度はもっと、時間に余裕がある時に。
次の日の朝食は、作ったロールパンにポテトサラダをサンドして食べました。
手作りパンに、手作りポテトサラダ、なんて丁寧な暮らしでしょう。



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